149話「数字を“現場の言葉”に変えよ」

コラム

〜数字に強い現場が、強い経営をつくる〜

「数字は経営者や本部が見るもの」
「現場にとっては関係ない」
――そんな考え方が、今なお多くの企業に根づいています。

しかしそれは、最も大きな“利益の取りこぼし”かもしれません。

数字に強い現場”は、自然と“儲かる現場”になる。


数字を理解できる現場と、できない現場の差

数字がわかる現場

  • 1品の原価率を意識して仕入れる
  • 人件費率を見てシフトを調整できる
  • 廃棄や無駄の“損失”を感覚的に把握している

数字がわからない現場

  • 売れればOK、コスト意識がない
  • 人を多く入れること=安心と誤解
  • ロスが出ても「仕方ない」で終わる

この差は、月末の帳簿ではなく、日々の積み重ねで大きな利益差になります。


「数字に強い現場」をつくる3つの鍵

① “経営用語”を“現場の言葉”に翻訳する

  • 「FL比率」→「食材と人件費を合わせて、売上の60%以内にするってこと」
  • 「客単価」→「1人のお客様が、いくら使ってくれてるか」

数字アレルギーの人にも、“自分の行動に直結する”言葉で伝えることが重要です。


日報・朝礼に“数字1つだけ”取り入れる

毎日全体の数字を見る必要はありません。
むしろ、「今日は客数と客単価だけ意識しよう」など、“1日1テーマ”でOK。

数字は、「考えるきっかけ」として現場に置くのがベストです。


③ “数字を出せた人”をしっかり称賛する

  • 客単価アップに貢献したスタッフ
  • ロス削減を提案した社員
  • 生産性の高い働き方を実行したチーム

→ 具体的に「どんな行動が数字に反映されたか」をフィードバックし、
数字に向き合うこと=かっこいいこと”という文化を育てます。


まとめ:数字を“経営の言葉”から“現場の言葉”に変える

数字は冷たいものではありません。
むしろ、現場の努力・知恵・工夫を“目に見える成果”として教えてくれる味方です。

「数字のわかる現場」ではなく、
「数字で動ける現場」が、企業を強くする。