〜ピンチにこそ、“経営の本質”が表れる〜
順調なときには、誰でも穏やかに振る舞える。
商品が売れ、クレームもなく、数字も安定しているとき
それは「経営の力量」が問われている状態ではありません。
経営の本質は、“うまくいかないときに、何をするか”で決まる。
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◆ ピンチは“問題”ではなく、“問い”である
たとえば、売上が下がったとき。
ただ「なぜ売れない?」と嘆くのではなく、
「本当に必要とされている商品を、提供できているか?」と問い直すこと。
人が離れたときも同じです。
「最近の若者は根性がない」ではなく、
「うちの会社は、働く人にとって魅力的か?」と自分に問う。
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◆ 試練のときに企業が“分かれる”
【表面的な会社】
・責任転嫁(景気・社員・競合など)
・現場を締めつける
・短期的な数字だけを追う
【本質的な会社】
・顧客と対話を増やす
・社員の声を聞く
・“原点”を見直す
結果、「顧客からの信頼」「社員の結束」「ぶれない方針」が強化されていく。
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◆ 実例:「お詫びから、感動を生んだ店」
ある飲食店で、提供ミスが起きた。
通常なら「すぐ作り直します」だけで済ませるところ、
その店では「次回、お好きな一品を無料でご提供させてください」と、手書きの謝罪カードを添えた。
そのお客様は「ここまで丁寧に対応してくれるとは」と感動し、SNSで投稿。
結果、その週の予約は満席に。
「問題対応力」こそ、“企業価値”そのものになる。
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◆ ピンチの時にこそ、経営者がすべき3つのこと
1. 逃げずに現場に立つ
→ 数字より、現実を肌で感じる。
2. “理念”に立ち返る
→ 苦しいときにこそ、自社の原点が判断軸になる。
3. 社員と「不安を共有」する
→ 答えがなくても、「一緒に考える」こと自体が信頼になる。
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◆ まとめ:「どうするか」ではなく、「どうあるか」が問われる時代
不調・トラブル・失敗――それらは、成長の扉です。
そして、経営とは**「何があっても、自分たちはこうありたい」**を貫く行為。
嵐の中でこそ、“舵の持ち方”が企業の未来を決める。
第146話:「“いいとき”より、“悪いとき”の姿勢が企業を決める」
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