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コラム

第104話:「平等と公平」
「平等」と「公平」は、どちらも正義や公正に関する概念ですが、それぞれの意味やアプローチには違いがあります。

<平等>
 定義:
  ・全ての人に同じ条件や機会を与えること。
 特徴:
  ・同じ量、同じ形での分配を目指す。
  ・人々の背景や状況に関係なく、一律に同じ扱いをする。
  ・具体例として、全員に同じ給料や教育の機会を提供するなどが挙げられます。
 メリット:
  ・見た目にはわかりやすく、誰にとっても同じ基準が適用されるため、簡単に管理ができる。
  ・不平等をなくす出発点として有効。
 課題:
  ・全員が同じ条件を与えられても、個々人のスタート地点やニーズが異なるため、結果として不公平感が生じることがある。
 例:
  ・高さが異なる塀を越えて景色を見るとき、全員に同じ高さの台を渡す。ただし、背の低い人はまだ塀が見えない可能性がある。

<公平>
 定義:
  ・個々のニーズや状況に応じて異なる条件や支援を提供すること。
 特徴:
  ・目的は「結果の平等」を目指すこと。
  ・一律ではなく、必要に応じてリソースやサポートを調整する。
  ・人々の能力や条件の違いを考慮し、適切な支援を提供する。
 メリット:
  ・個々の違いに配慮するため、実質的にすべての人が同じ結果を得られる可能性が高まる。
  ・社会的な不平等を是正するための具体的な解決策になる。
 課題:
  ・誰にどれだけのリソースを割り当てるかを判断する際に、基準が主観的になりやすい。
  ・管理や実現が複雑で、コストがかかる場合がある。
 例:
  ・高さが異なる塀を越えて景色を見るとき、背の低い人には高い台を、背の高い人には低い台を提供することで、全員が同じ景色を見られるようにする。

<平等と公平の違いを例で説明>
 例: 学校教育の場合
  ・平等: 全ての生徒に同じ教材や授業時間を提供する。
  ・公平: 学習が遅れている生徒には補習を行い、得意な生徒には高度な課題を与える。
 例: 医療の場合
  ・平等: 全ての患者に同じ量の薬を処方する。
  ・公平: 病状に応じて薬の量や治療方法を調整する。

<平等と公平をバランスよく活用する>
社会の多様性が増す中で、単なる「平等」では不十分な場合があります。
一方、「公平」を徹底しすぎると逆に不公平感を感じる人が出る可能性もあるため、状況に応じた柔軟な対応が求められます。
どちらが適切かは、具体的な課題や場面に応じて判断することが重要です。