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コラム

第117話:「食品スーパーの部門間応援」
食品スーパーにおける「部門間応援」は、特に人手不足やピーク時間の波が大きい現場において非常に重要な施策です。
以下に、その重要性をわかりやすく整理してご説明します。

<部門間応援の重要性>
1. 人手不足や人件費の最適化
 応援によって繁忙部門に人員を一時的にシフトさせることができ、過剰人員・過少人員のバランスを調整可能。
 部門ごとの固定人員配置によるムダを削減し、全体としての人件費削減につながります。
2. ピーク時間対応の強化
 青果の荷受けやレジの混雑など、時間帯による業務量の偏りに対して、応援人員が柔軟に対応可能。
 「10~12時のレジ混雑」「15時以降の総菜ピーク」などに応援を入れることで顧客満足度の向上が図れます。
3. 組織の一体感・協力意識の醸成
 応援により、他部門の業務を理解し、店舗全体で売上・サービスを支える意識が育まれます。
 「うちは関係ない」という意識を排除し、店舗全体最適のマインドが根付きます。
4. 教育・スキルの多様化
 応援を通じて、従業員が複数部門のスキルを習得。
 それにより、突然の欠勤や退職などのリスクにも強くなり、店舗運営が安定します。
5. 顧客対応の質向上
 応援を通じて、他部門の知識を得たスタッフが、お客様の質問に柔軟に対応できるようになります。
 「ちょっとわからないので他の者を呼びます」が減り、接客のスピード・質が向上します。

<現場での課題と乗り越え方>
課題 解決策
応援を嫌がる社員がいる 日報や評価制度に応援実績を反映し、貢献を正当に評価する仕組みを整備
応援による自部門業務の滞り 応援時間を「●時~●時」のように明確に区切って計画的に運用
スキル不足で応援がうまくいかない 簡易マニュアルやロールプレイ研修などで最低限のスキル共有を事前に実施

<経営者・店長へのメッセージ>
店舗の利益を守るには“全体最適”の視点が不可欠です。
部門間応援は、店全体の力を活かす経営そのものです