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コラム

第74話:「価格戦略」 (2024年06月21日)
価格戦略(プライシング戦略)は、企業が自社の商品やサービスの価格を設定する際に用いる計画や方針のことを指します。
この戦略は市場の需要、競争、製造コスト、顧客の価格感度などの要因を考慮して策定されます。以下は主要な価格戦略のいくつかです。
1. 競争ベースの価格戦略
  競争ベースの価格戦略では、競合他社の価格を基準にして自社の価格を設定します。
  競合よりも安い価格を設定することで市場シェアを獲得する戦略や、競合と同じ価格で付加価値を提供する戦略があります。
2. コストプラス価格戦略
  コストプラス価格戦略は、製造コストに一定の利益率を加えた価格を設定する方法です。
  この方法はコストの変動が少なく、安定した利益を確保するのに適していますが、市場の需要や競争状況を十分に考慮していない場合、競争力を失うことがあります。
3. 価値ベースの価格戦略
  価値ベースの価格戦略は、顧客がその商品やサービスに対して感じる価値に基づいて価格を設定します。
  高い価値を提供することで高価格を設定し、プレミアムを獲得することを目指します。
  この戦略はブランド力が強い企業に適しています。
4. 市場浸透価格戦略
  市場浸透価格戦略は、新製品の導入時に低価格を設定して市場に迅速に浸透し、大量の顧客を獲得する方法です。
  この戦略は競争が激しい市場でのシェア拡大に効果的ですが、利益率が低くなるリスクもあります。
   5. 高値設定戦略(スキミング戦略)
  高値設定戦略は、新製品の導入時に高価格を設定し、利益率を最大化する方法です。
  市場に競合が少ない場合や、製品に革新性がある場合に有効です。
  その後、徐々に価格を下げていき、より多くの顧客層にアプローチします。
6. ダイナミックプライシング
  ダイナミックプライシングは、需要や供給、時間帯、顧客の行動に応じて価格をリアルタイムで調整する戦略です。
  この方法は航空券やホテルの予約などでよく使われます。柔軟な価格設定により、最大の収益を目指します。
7. 損失リーダー戦略
  損失リーダー戦略は、特定の商品を原価以下の価格で販売し、顧客を店舗に引き寄せる方法です。
  この方法で他の商品やサービスの購入を促進し、全体の売上を増加させることを狙います。

価格戦略の選択は、企業の目標、市場の状況、競争環境、製品のライフサイクルなど多くの要因に依存します。
最適な価格戦略を選ぶことで、企業は収益の最大化と市場シェアの拡大を図ることができます。